第四回詠草
第三回 西千葉短歌会詠草
世話人＝三浦 佑之 （ＭＩＵＲＡ Ｓｕｋｅｙｕｋｉ）
2000年12月５日に行われた短歌会に提出された作品です。ご鑑賞ください。
なお、席次は参加者の投票によって決めています、念のため。
生きずして生きるに焦り 見てみいよ、黒きパン屑蟻のたかりて （三席）
君が触れしチョークに触れて授業終う戸惑うように冬の陽は射し （二席）
夢だとて目醒めてたとてこれ一人世界は踊る私は生きる
外界に一壁としての懐疑心日々の恐怖に死を選択す
街の灯に煌（きら）めく雪を手にうけて少し嬉しそうに微笑むあなた （二席）
睦月、あひ別れてなむ
人の世や思ひは残る年果つるまた来る春を良からなむとて
涙ふる 空ふりはらい 願うのは 選んだ道に 光のさすこと
胸の内明かせ話せとこう人に昔よそおい今語りせん （一席）
気付かれぬ傷こそ痛み激しくて柘榴のように割れるこころよ （三席）
冬の日のヴィオロンのため息にクヮハハクヮハハとカラス笑ひて
晴れてるね星はきれいだよ月もある用はなくても声が聞きたい
夜歩く森閑として町蒼しどこまでもただひとりなりけり
糸切れて自由を得たりと思（おぼ）ゆれど身動きとれぬくず糸の中
【俳句】
凍蝶の越境の夢や君へ飛ぶ
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