第三回詠草
第二回 西千葉短歌会詠草
世話人＝三浦 佑之 （ＭＩＵＲＡ Ｓｕｋｅｙｕｋｉ）
11月７日、第二回西千葉短歌会が開かれ、以下の力作が出品され、酒を飲みつつ楽しみました。
今回から新たに、O先生もご参加いただきました。どちらかというと女性の参加が少ないのですが、
男・女、学生・教員を問わず、皆さん奮ってご参加ください。
次回案内は、「西千葉短歌会」ページをごらんください。なお、席次は差異貨車の投票によって決めています。
高楊枝できぬ士（さむらい）修羅場にて仇に見ゆる コーヒーと菓子 （三席）
秋風は赤いショールに絡みつき飽いてするりと肌を後にす
秋風に吹き返される君の髪かすかに甘い金木犀
秋祭り 鐘の音太鼓 心地よく 独りの憂い 今は忘れて
燃ゆる樹と死ぬ樹とわれと声なくてをんをんと秋の森は泣くなり
ベランダの菊の花々鉄柵を抜けて逃れて宙空に咲く
寒い日が続いていると油断してセーター着た日が「小春日和」
桜葉の色移りゆき散りつもり朽ちゆく香のその優しさよ
秋の海きわみ睨みつくらき貌空をささえる朽ちたキューピー
カテキョウの駅降りたんぼに家灯りみのりあらばと思いつつ
紅葉降る北の村祭り呼ばれ来し名を知らぬ歌女（うため）とふすま隔て寝て
電話には出られませんと機械声ホントながいね秋の夜って （一席）
わがためにただ生きんとすこのよながともに味う肌こいもせず
朝腐り昼に居直り果ては自慰ドアを開けば夕焼け小焼け
燃ゆる樹と死ぬ樹とわれと声なくてをんをんと秋の森は泣くなり （二席）
ベランダの菊の花々鉄柵を抜けて逃れて宙空に咲く
寒い日が続いていると油断してセーター着た日が「小春日和」
桜葉の色移りゆき散りつもり朽ちゆく香のその優しさよ （三席）
秋の海きわみ睨みつくらき貌空をささえる朽ちたキューピー
【自由詩】
あおいたかい空のした、ぼくの心はもやしっこ。
とおくたかくと望めども、いつまでたってももやしっこ。
かたい大地に根をはれず、さまようぼくはもやしっこ。
枯れてゆくのか、灰色の中へ。
ひるまの月から はがれおち かげのかたしろ いわにおち
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