第十八回 詠草 
第十七回 西千葉短歌会詠草
世話人＝三浦 佑之 （ＭＩＵＲＡ Ｓｕｋｅｙｕｋｉ）
２００３年１０月３１日、ひさしぶりの短歌会です。参加者は少なかったのですが、
中国・モンゴルからの留学生、イギリスから一年ぶりに帰国された方と、とても国際的でした。
例によって、詠草です。ご鑑賞ください。席次は付けていません。
次回は、ぜひ賑やかにご参加ください。
１ 緑陰の遠慮がちなる目白の巣おもはぬ角度に妹はゐる
銀河系いつ滅ぶとも信念の胡瓜一本まつすぐに伸ぶ
妹とゆるく繋いだ手をはなす薄原ゆめの別れ道にて
２ トトロ踊る聖母が跳ねる独楽の上触れればはじかれまた一人回る
３ 読書の秋に
「肺病になりたい青年」と『檸檬』読む少女語りて蘇る梶井
遠き日に旅宿りせし親不知車窓よぎりて『静かな大地』読む
虎吼ゆる祭り終わりて長き冬また続くかと『夢』を閉じ置く
４ 「国境も警備したよ」という人とテストの点数競っておりぬ
戻ったら徴兵されるという男 二人乗り自転車スーパーに行く
じゃあ一体何のためかと問う前に 行け行け「絶対安全地帯」
５ 砂浜にうちあげられたる流れ星ともに祈りし人よいずこへ
６ 冷えた手のよりどころなき抽象画 掻き抱く歩道は静まり
７ 「あしてびちーをおくります」なれぬてつきの電子書簡
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