第十六回 西千葉短歌会詠草

                            世話人=三浦 佑之 (MIURA Sukeyuki)


        2003年6月26日、先月に続き楽しく短歌会を開きました。
        例によって、詠草です。ご鑑賞ください。

        席次は参加者の投票です。青字の歌二首は、川野さんの推薦歌です。


1 <div align = center> 読書会 </div> 今日が最後の更新   一席
  雨水をたたえて光る蓮の葉を裏返し吹く風もきみどり
  月火水木金土日月火水木金土日次もまた月


  (注) 読み方について <div align=center> ディブ アライン イコールセンター
           
</div> スラディブ

2 1ガロンの六月は油絵の具で女を溶かす

3 向く方の未だ決まらぬひまわりよジリジリ伸びる夏待ちの我
  一席

4 戯れに出奔せぬかとさそわれてバッグかついで逢いにゆく
  新聞をバッグにつめてふくらます宵のいたずらハトが鳴きだす
  君と逢うあしたの天気たしかめてやすやす眠る決行前夜
  最愛の君にいうまいバッグには七日あまりの新聞あふるる
  出奔届け今に効かせよこの国のナンバーなるものわれには不要
  特大のかろきバッグをもちくれし君の茶髪はわれにアンテナ
5 「お母さん」と毎朝叫ぶ私(わたくし)は
  ただひたすらに鑿打ちつける

  面接だろうがなんだろが私はこいつでキメたります
  バニーガール、ドンドン!
  明日なき明日の行軍歌
 
6 雄亀雌亀ことにおもたくなる日ありて重なりあへりコトリと音し
  放埒なびんびんさびしい古代にて桑の実も恋も黒く熟れたり    二席
  恋に落ちるといふこと夏の桑畑にいまも私を待てる暗がり

7 ドライブは人生なのだと知りました右左折まっすぐ「他車」との出会い
8 「安いよ〜ハンバーガー50エン! たこ焼き」スーパーかここは叫ぶ放課後

9 君を待ち潤うこころ ひさかたにかなでる 音はしとりしとり
  相合い傘、並んで歩ける 嬉しさに「どれがいい?」なんてはしゃいでみたり

10 欲なくし糸を切るなと芥川 「肉」には無理だ 我は沈まん

11 黒髪にたまさか出会いて胸をとりその喜びのほのにがきかな   
二席
  
小羊をほふるも人ののど断つも同じ神技幸薄き民
   ボスニアの谷間の水面見さくれば覚えず聞ゆ「私はかもめ」 (抄録)


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            第十七回 詠草